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複数の商品をセットにして販売する「バンドル販売」は、客単価アップや在庫回転の改善に役立つ販売手法です。単品購入よりお得感を出しやすく、EC・実店舗・サービス業など幅広い業界で活用が進んでいます。
本記事では、「バンドル」の意味から、バンドル販売について、在庫削減や客単価向上に直結するバンドル販売のメリットと戦略方法を解説します。さらに、単なるまとめ売りで終わらせず、利益を最大化するために不可欠な顧客管理システム(CRM)の活用方法を紹介します。
目次
バンドルとは

英語の“bundle”は、名詞では「束(たば)・ひとまとめにした物・かたまり」、動詞では「包む・束ねる」といった意味があります。
ITやビジネスで使われる「バンドル」は、もともと単体で売られている製品を、別の製品に付属させて提供することを指します。
例えば、パソコンやスマホを購入すると、メールソフトやブラウザなどのアプリケーションが最初からインストールされていたり、充電ケーブルなどの付属品がセットになっていたりします。こうした「製品と付属品をまとめて提供する形態」が、バンドル(バンドリング)と呼ばれるものです。
対義語:アンバンドル
アンバンドルとはバンドルとは逆に「切り離す、ばらす、バラ売りする」といった意味の言葉です。関連する複数の製品や事業などを、より細かい単位に分割・分離することを指します。
製品やサービスの販売について用いられる場合は、まとめて販売されていた(バンドルで販売されていた)商品を要素ごとにばらし、別々に購入できるようにすることをアンバンドルと言います。
身近なバンドルの例
バンドルは、パソコンなどのIT分野だけでなく、幅広い分野で顧客に付加価値を提供する手法として活用されています。例えば、Blu-rayの映画にCDやDVDといった特典が同梱される場合もバンドルの一例です。
その他、身近なもののバンドルの例は以下の通りです。
- パソコン・スマホにオペレーションシステムをあらかじめ搭載しておき、機器だけでなくそのシステムの値段も考慮した価格で販売されている
- 映画や小説の特典としてDVDやポストカード付きで販売されている
- タブレットとイラスト描画ソフトウェア、ビデオカメラと動画編集用ソフトウェア、ゲーム機とゲームソフト(もしくはゲームソフトのダウンロード)等、機器と関連ソフトがセット価格で販売されている
このように、バンドルはIT製品からエンタメ、日用品に至るまで、顧客に付加価値を提供する手法として幅広く活用されています。
バンドル販売について

売上アップや在庫調整を狙った販売戦略のひとつとして、バンドル販売があります。
バンドル販売を行うことは、単に売り上げを伸ばすだけでなく、売れ行きが良くない商品の在庫数を効率的に減らすことを可能にします。
ここからは、バンドル販売の基本や実際に活用する際のメリット・注意点について解説します。
バンドル販売とは
バンドル販売とは、複数の商品をいくつか組み合わせてセットで販売することです。
消費者は、「セットになっているとお得感がある」「手間が省ける」といった顧客心理が働き、バンドル商品に購買意欲を刺激されます。多くの企業がこの心理を利用した販売戦略を採用し、売り上げを上げています。
バンドル販売の例としては、以下のようなものがあります。
- 飲食店チェーンの「〇〇セット」
- 家電量販店の「〇〇2台買いで20%OFF」
- 靴下3足まとめて買うと割引
バンドル販売の種類
バンドル販売の方法は、商品の組み合わせの自由度によって、大きく以下の2種類に分けられます。
■バンドル売り(自由な組み合わせ)
設定した対象の商品群や部門から、定められた数量を顧客が自由に選んでカートに入れた際に、値引きや割引が適用される販売方法です。
顧客が自分の好みに合わせて商品を選べるため、購買の自由度が高く、幅広い在庫消化に適しています。
事例: 靴下を3足選んで1,000円、対象のTシャツを2点購入で20%オフなど。
■セット売り(固定の組み合わせ)
あらかじめ設定された特定の商品の組み合わせが完全に一致することを条件に、設定されたセット価格で販売する方法です。
企業側が意図した商品の組み合わせ(例:売れ筋と不人気品)を確実に販売でき、顧客にとっては「必要なものが揃う」利便性があります。
事例: パソコン本体とマウス、キーボードをパッケージ化したセット料金での販売など。
バンドル販売のメリット
バンドル販売は、商品の組み合わせを通じて、企業経営に複数の戦略的なメリットをもたらします。
客単価・売上アップ
顧客が一度の購入で複数の商品をまとめて購入するため、個々の商品を単体で販売するよりも効率的に客単価を向上させることができます。これにより、売上全体を伸ばすことが可能です。
在庫を効率的に削減
バンドル販売の大きな目的の一つが、在庫調整です。売れ筋商品とそうではない商品(余剰在庫品)を戦略的に組み合わせることで、需要の低い商品の在庫を効率的に解消することができます。
顧客の満足度と利便性の向上
顧客にとって「これが欲しかった」という理想的なセットが提供されることで、個別に商品を探したり選んだりする手間が省けます。この利便性と、セット価格によるお得感が顧客満足度の向上につながり、リピート購入の可能性を高めます。
バンドル販売の注意点
バンドル販売は効果的ですが、顧客のニーズを無視した組み合わせでは効果が得られず、かえってブランドイメージを損なう可能性があります。
大切なことは、企業側の在庫処分を目的とするのではなく、ユーザー目線で魅力的に映るバンドルをつくることです。顧客が「一緒に使うと便利になる」「セットだからこそ価値がある」と感じられるよう、ニーズを深く汲み取った設計が必要です。
また、セット価格を設定する際は、顧客にお得感を与えつつも、利益率が高い商品と低い商品を戦略的に組み合わせ、セット全体として十分な利益が確保できるバランスを慎重に検討しなければなりません。
抱き合わせ商法との違い

バンドルは、買おうと思っている製品Aにほかの製品Bが付いてくることです。消費者はA+Bの代金を支払うわけですから、Aだけを買うよりも高い料金を支払うことになります。
これは一見すると「抱き合わせ商法」のようにも見えますが、両者の違いは「消費者に利益があるか、不利益になるか」という点にあります。
抱き合わせ商法について
抱き合わせ商法とは、「人気の商品Aを買うことを条件として、不人気の商品Bもセットで購入させる」という販売方法です。
この販売方法では、必要な商品を買うために不要な商品も買わされてしまうため、消費者に商品Bの支払いを強いるものになります。
また、商品Bの販売数が不正な形で増えるので、Bに似た商品を販売している企業間との競争において、優位に立つことにもなります。
これは「私的独占の禁止および公正取引の確保に関する法律」(独占禁止法・独禁法)に抵触する違反行為です。
したがって、バンドル販売を行う際は、抱き合わせ商法と判断されないよう、消費者に有益なものをセットにすることを徹底しなければなりません。
データに基づくバンドル販売戦略
バンドル販売を単なるまとめ売りで終わらせず、売り上げや在庫削減に繋げるためには、データに基づいた戦略が有効です。
顧客ニーズを反映した戦略的な組み合わせ設計
売れるバンドルセットをつくるには、まず顧客の購買心理やニーズを深く掘り下げることが重要です。基本は、顧客が「一緒に使うと便利になる」「セットだから価値がある」と感じるような関連性の高い商品同士を組み合わせることです。
また、初心者向けや上級者向けといった利用シーンを意識したセットをつくったり、利益率の高い商品と低い商品を戦略的に組み合わせたりすることで、顧客のお得感と企業の利益を両立させることができます。
顧客管理システムを活用した分析の徹底
戦略的な組み合わせ設計を成功させるためには、経験や勘に頼るのではなく、顧客管理システムを活用したデータ分析が重要になります。
顧客管理システムに記録された顧客の購買履歴データを分析することで、「どの商品とどの商品が一緒に買われやすいか」という傾向を正確に把握できます。これにより、顧客のニーズに合った、本当に売れる最適な組み合わせをデータに基づいて見つけ出すことができるのです。
さらに、顧客層ごとの購買傾向を分析し、その人に合ったバンドルを提案するターゲティングや、販売後の売り上げや利益率を正確に測る効果測定も可能となり、戦略の継続的な改善を実現します。
まとめ
バンドル販売は、売上アップや在庫削減に役立つ強力な手法です。成功のポイントは、法律違反となる抱き合わせ商法を避け、「顧客が本当に欲しいセット」を設計することです。
この戦略的なセット設計や売れ行きの検証をスムーズにするためには、顧客の購買データを見える化できる顧客管理システムの活用が有効です。
近畿システムサービスの「顧客管理システム」は、購入履歴や顧客情報をもとに、最適な商品組み合わせの分析を実現します。データに基づいた戦略的なバンドル販売を実現し、貴社の売上・客単価向上と在庫課題を解決するために、ぜひご検討ください。







