2023.10.27
POS

POSレジ(システム)の使い方を解説|失敗しない選び方や導入の流れもご紹介

posレジ 使い方

POSレジはお会計だけではなく、在庫管理や顧客管理などができる機能も搭載されるようになりました。業務の効率化を図るためにも、多くの店舗でPOSレジの導入を重要視しています。
しかし、POSレジの使い方やメリットについてよくわからない方も多いでしょう。
そこで本記事では、POSレジの特徴や使い方をご紹介します。また、POSレジの失敗しない選び方も解説しているのでぜひ参考にしてください。

近畿システムサービス管理部

近畿システムサービスは、店舗のトータルな提案を行うシステム開発会社です。免税システム、RFIDソリューション、電子署名等、多くの業種システムの開発実績がありますが、特に流通関連のシステムでは多数の実績とノウハウがあります。

POSレジとは?

POSレジの使い方をご説明する前に、基礎知識や旧レジとの違いを知っておきましょう。

 

POSレジの特徴

POSレジとは、主に小売業や飲食店などの商業施設で使用される販売管理システムです。POSは”Point of Sale”の略で、商品のバーコードを読み取ることで「何が」「いつ」「どこで」売れたのかをデータ収集します。
POSレジを使用することで販売プロセスを効率化し、在庫を管理するのに役立ちます。
すでに大手スーパーマーケットやコンビニで導入していますが、最近では個人の店舗やフランチャイズチェーンでも見かけるようになりました。

>>POSシステムとは?仕組みの詳細はこちら

 

旧レジの違い

旧レジの種類は紙幣や硬貨を保管するキャッシュドロアが一体となったドロア型やドロアと電卓のみの「電子レジスター」、売上情報をパソコンに取り込める「システム型レジスター」が挙げられます。
ドロア型や電子レジスターはシンプルな機能なので、個人で経営している飲食店で多く見かけます。
比較的新しいシステム型レジスターは売上情報をSDカードやインターネットを通じてパソコンに取り込めるため、中小規模店舗が導入していることも多いです。
しかし、店舗拡大やネットで商品を販売するとなると、旧レジでは対応しきれずPOSレジの導入が必要不可欠になるでしょう。

 

POSレジ(POSシステムレジ)の歴史

レジスターの起源は、1978年にジェームズ・リティというアメリカのカフェ経営者が、従業員の売上金の不正防止を目的に考案したダイアル・レジスターが原型と言われています。

ダイアル・レジスターは置き時計のような外観で、客と店員が金額を確認することができるものの、現金の収納や販売を記録する機能などはありませんでした。

キャッシュレジスターが電子化し始めたのは、戦後の経済成長や流通革命の頃で、従来の機械式から電子式レジスター(ECR)への発展を遂げました。

一方POSシステムは、アメリカを中心に急成長を遂げましたが、日本ではコンピューターによるPOSシステム化よりもECR化が先行していたため、POSシステム化に遅れを取ることになります。

1983年に大手コンビニエンスストアの全店舗でPOSシステムが導入され話題を呼んだことをきっかけに、POSシステムが国内で普及し始めました。

 

POSレジの種類

POSレジの種類は「ターミナル型」「タブレット型」「パソコン型」の3つに大別されます。ここではそれぞれどのような特徴があるのかを解説します。

 

ターミナル型

ターミナル型はコンビニやスーパーでよく利用されている据え置き型のPOSレジです。キャッシュドロアやプリンター、バーコードリーダーも付属されており、使い勝手の良いところがメリットといえます。
ターミナル型はスーパーだと人件費削減のために、「セルフレジ」として買い物客にお会計をしてもらう方法を採用していることが増えました。
また、金銭のやりとりは従来のレジとほとんど同じなので、レジを打ったことがある方なら問題なく使えるでしょう。
デメリットとしては、簡単に移動ができないのと初期費用が高くなりやすいことが挙げられます。

 

タブレット型

タブレット型はスマートフォンやiPadのようなタブレット端末に、キャッシュドロアやカードリーダー、プリンターなどと連携が可能なアプリをインストールして使うタイプです。
クラウドにデータを保管するため、サーバー代がかからず簡単に導入できます。
ただし、アプリの仕様とデバイスの条件が満たしていないと機能が使えないケースもあるので注意が必要です。
スタッフがタブレットを持ちながら、お客様から注文を受けたり支払いを処理したりすることが楽にできます。このタイプはモビリティに優れていることから、レストランやカフェなどで多く利用されています。

 

パソコン型

パソコン型はデスクトップやノートパソコンをPOSシステムとして使用することです。
専用のPOSソフトウェアをインストールし、バーコードスキャナーやレシートプリンターなどの周辺機器と接続します。
パソコン型のPOSレジは柔軟性が高く、POSソフトウェアを簡単にカスタマイズできるのがメリットです。小売店舗やカフェ、アパレル全般などに使用されることがあります。
パソコンをすでに所有している場合は、コストを抑えられるだけではなく、お会計以外のときはパソコンとして通常通りに利用できます。
しかし、パソコンを使い慣れていない方が使いこなすのは難しいかもしれません。

 

POSレジの使い方は主に6つある

POSレジの使い方は以下の6通りあります。それぞれ詳しく見ていきましょう。

  • レジで活用する
  • 在庫管理・商品管理に活用する
  • 顧客管理に活用する
  • 売上分析に活用する
  • 複数店舗のデータ管理
  • 飲食店でのオーダー伝達

 

1.レジで活用する

商品のスキャン、価格の計算、お金の取り扱い、レシートの発行などが含まれます。
POSレジの場合は、商品の値段を手入力する必要はなく、バーコードを使ってスキャンすれば計算することが可能です。
導入によって人為的なミスが防げるため、レジを閉める際に計算が合わないということがなくなります。現金会計でお釣りが出る際もドロアから自動計算されて出てくるため、お釣りの渡し間違いがなくなるでしょう。

 

2.在庫管理・商品管理に活用する

POSレジを在庫管理や商品管理として活用することで、在庫の情報や再発注するタイミング、納入管理が効率的に行え、在庫を過剰に抱えたり欠品したりすることを最小限に抑えられます。
さらにその日にどのような商品が何個売れたのかがリアルタイムで確認できます。
また、複数店舗を展開していたとしてもすべての店舗情報をチェックできるので、事業全体の状況を把握できるでしょう。

 

3.顧客管理に活用する

POSレジを使用して顧客情報を収集し、お客様の購買履歴や嗜好を記録できます。これによりリピートしてくれる顧客へのサービス提供やターゲティング広告を打つなどの戦略を立てることが可能です。
また、新規顧客を取り込むために、どのような商品を好む傾向にあるのかを判断できます。

 

4.売上分析に活用する

売上のデータ収集することで、効果的に販売戦略を分析できます。例えば特定の商品やプロモーションなど、今後の経営戦略に活かすことが可能です。
現金払いやクレジットカード払い、電子マネー決済などの比率、天気や曜日による売上の変化、時間帯による売上額が把握できます。
POSレジの売上分析・抽出することでトレンドや経済変動の動向などのさまざまなマーケティングにもつながります。

>>POSデータ分析の目的や活用法について詳しく知りたい方はこちら

 

5.複数店舗のデータ管理

旧レジでは、売上や在庫管理などを1台につき1店舗ごとでしか対応できませんでした。しかし、POSレジはインターネット回線を通じて複数の店舗データを管理できます。
店舗ごとに客層や年齢、人気の商品情報などを分析できるため、それぞれの店舗に合わせた異なるマーケティングを行うことが可能です。

 

6.飲食店でのオーダー伝達

近年は飲食店などの人手不足が目立ち、スタッフの確保が難しい現状です。そのため、最近ではお客様自身がタブレットから注文して、直接厨房に伝える「オーダーエントリーシステム」を採用している飲食店などが増えています。
スタッフが客席に行って注文を受ける必要がないため、人手不足の解消や人件費削減が期待できるでしょう。

 

POSレジを導入するメリット

POSレジを導入することで、複数店舗の売上の一括管理や業務効率化、顧客のデータ管理、人為的ミスや不正行為の防止ができるといったメリットがあります。

 

複数店舗の売上を一元管理できる

複数店舗のPOSレジをネットワークにつなぐことで、店舗ごとのデータ管理はもちろん、複数店舗の売上データを一元管理することが可能です。

さらにECサイトと連携すれば、オンライン通販の販売情報も一括で管理することができます。店舗販売とオンライン販売の両方を行う事業者にとっては、生産性の向上が期待できます。

 

業務を効率化できる

POSレジを導入することで、バーコードを読み取れば瞬時に商品情報や金額をデータ化して、会計がスムーズになるので、商品販売時のレジ業務が効率良く進められます。

例えば、レジ締め作業は手動で行うと時間がかかる上にミスが発生しやすい業務ですが、POSレジであれば売上集計機能やレジ締めを簡素化する機能が備わっているので、作業時間を大幅に削減することが可能です。

 

顧客に合わせた戦略を立てられる

POSレジの種類によっては、顧客の性別や年齢層、来店人数などのデータを会計時に登録できます。

また、販売情報と顧客データを連携させることで、顧客の来店頻度や購入履歴といった情報を分析できるものもあるので、リピーター促進を目的としたポイントサービスやクーポンを配信するなどの販促施策を行うことが可能です。

例えば、顧客の会員証やポイントカードと顧客販売情報を連携させて、販売履歴に基づいて、顧客の好みに合わせて商品の入荷状況や新商品の情報を提供することで、売上を伸ばすといった戦略も立てられます

 

人為的なミスや不正行為を防げる

POSレジには、データ暗号化や認証機能が備わっており、決済情報や注文情報を安全な形で保護できます。そのため、顧客のクレジットカード情報や個人データが盗難される、不正に利用されるといった犯罪を高い確率で防止することができ、顧客の信頼や安心感につながります。

また、POSシステムは売上や商品在庫に関するデータをリアルタイムで管理するため、データの誤差の検出も簡単に行うことができ、金額の打ち間違えなどスタッフのミスや不正行為の予防が可能になります。

POSレジの導入によって、情報漏洩や犯罪リスクを軽減させることができるのは大きなメリットと言えるでしょう。

 

POSレジで失敗しない選び方

これからPOSレジを導入しようと考えている方のために、どのようなポイントに気をつければ良いのかを3つまとめました。

  • 店舗の業態で選ぶ
  • 店舗の規模で選ぶ
  • 料金相場を比較しておく

 

店舗の業態で選ぶ

実店舗だけではなく、ECサイトの開設を予定している場合はサイト上と実店舗の売上を管理できるPOSレジの導入がおすすめです。
POSレジにはそれぞれ特徴があるので、小売店を運用するなら在庫管理に特化したレジ、飲食店を運用するならハンディタイプが使用できるかなどで決めていきましょう。

>>軽減税率に対応したPOSレジを導入する方法について詳しく知りたい方はこちら

 

店舗の規模で選ぶ

「今は小規模の店舗だけれど、今後規模を拡大していきたい」という方は、POSレジの柔軟性に注目しましょう。店舗数が増減しても対応できるシステムを選択することで、常にPOSレジを最適な状態で活用できます。

 

料金相場を比較しておく

POSレジの価格は種類によって相場が異なります。

  • ターミナル型:50万円〜100万円
  • タブレット型:0円〜5万円
  • パソコン型:0円〜15万円

タブレット型やパソコン型は、すでに端末を購入していれば初期費用は無料ですが、通信費などのランニングコストがかかります。

また、POSレジを設置する際は、POSレジを購入した会社や電気工事を受け持つ会社に依頼しましょう。
初期設定も同じくPOSレジ会社や販売代理店のサポートは基本的にあるので、簡単に利用できます。

 

POSレジ導入までの流れ

POSレジの購入を検討してから導入するまでの流れを、細かく解説していきます。

 

1.POS導入の目的と要件を整理する

実際にPOSレジを導入する前に、導入する目的と要件を整理をしておくことが重要です。

導入の目的が明確になっていないと、課題を解決できるPOSレジを選択できない可能性があるので注意しましょう。以下のことを具体的に決めることをおすすめします。

 

・解決したい課題

・月額・初期費用の上限

・POS導入後に見込みたい効果の大きさ

・導入完了予定日

 

上記のような要件をしっかり決めておくことで、選ぶべきPOSシステムがはっきりするため、コスト削減や導入効果の最大化が見込めます。

求めるべき要件は業界によっても変わってきます。

業界別に必要となる機能の例を以下にまとめたので、ぜひ参考にしてください。

 

飲食業界に必要な機能

・シフト管理機能

・オーダーエントリー機能

・ハンディ連携機能

・予約受付機能

・タブレット機能

 

小売業界に必要な機能

・在庫管理機能

・売上分析機能

・ECサイト連携機能

・商品管理機能

・顧客管理機能

 

サービス業界に必要な機能

・勤怠管理機能

・給与管理機能

・スタッフ管理機能

・顧客情報管理機能

・予約受付機能

 

2.POSレジを選定する

POSレジを導入する目的と要件が明確になったら、それらの課題を解決する機能を搭載したPOSレジを選定します。

POSレジを選定するときには、ユーザーがそのPOSレジを使用した感想や意見を実際に聞くことをおすすめします。口コミなどの情報を確認するのも良いでしょう。

POSレジを導入した後に、求めていた機能がなかったことに気がつくといった失敗を避けるためにも、実際に使用している人の話を聞けるのが理想です。

また、POSレジの管理画面を実際に操作する機会があるとより良いでしょう。POSレジの操作性が悪いと、スタッフが操作を覚えるのに時間がかかったり、業務内に無駄な工程が発生するリスクもあるので、直観的に操作できるものを選びましょう。

 

3.POSレジを設置する・アプリをダウンロードする

POSレジの選定を終えて実際に機器が届いたら、いよいよ設置に移ります。ターミナル型のPOSレジの場合は、レジ本体を設置するためにキャッシュドロアや有線コードが必要になることがあります。説明書を読みながら正しく設置するようにしましょう。

 

また、iPadなどのタブレット型やパソコン型のPOSレジの場合は、必要となるレジアプリをダウンロードする必要があります。

 

4.初期設定をする

POSレジの設置が完了したら初期設定を行います。必要な初期設定はPOSレジの機能によって多少変わり、スタッフ数の設定や売上計算表の作成、IDとパスワードの設定など様々です。

初期設定に不安がある場合は、POSレジ販売会社が行っている初期講習を受講すると良いでしょう。初期講習では初期設定を始め、操作方法や機能の活用方法などを丁寧に教わることができます。

POSレジの操作方法を理解していなかったり、機能を正しく活用できないと、導入の効果が見込めない可能性もあるので、基礎の知識や操作を初期講習で身に着けると良いでしょう。

 

5.商品登録・マニュアル作成を行う

初期設定が完了したら最後に行う作業、商品登録とマニュアル設定に移りましょう。商品登録を完了させるには、各商品のデータをPOSレジにアップロードして、価格や在庫情報などを設定しなければなりません。

また、商品が購入されて会計が完了するまでの手順を設定するマニュアル作成は必ず必要になります。

マニュアル作成をしないと、値引き商品や会計の最中の数量変更などの対応が難しくなり、スタッフが誤操作をしてしまう恐れがあります。会計時のミスは顧客を不快にさせる、店舗への信頼が薄れるといったトラブルにつながるため、必ずマニュアル作成を行いましょう。

 

POSレジの操作方法に関するよくある質問

POSレジを実際に使っていると、営業中にわからない問題が出てくるケースもあるでしょう。問題を解決するために、よくある問題で解説しているので、ぜひ参考にしてください。

 

商品にバーコードがない場合の読み取りは?

最近はスマート化になり、バーコードをつけていない製品もあります。バーコードがないとスキャナに通せないので、その場合はPOSレジ画面で操作します。
バーコードなしの製品はあらかじめ登録されていることが多いので、商品ボタンを押せば登録することが可能です。
万が一登録設定が漏れていた場合は、製品の金額を手打ちする方法を取りましょう。

 

キャッシュレス決済のお会計はどうすればいい?

クレジットカードや電子マネーなど、キャッシュレス決済の場合はPOSレジ操作と同時にキャッシュレス決済端末の操作も行います。POSレジ操作には「カード入金」「現金入金」などが選択できるので、決済方法と金額を入力しましょう。
キャッシュレス端末に入力した金額が表示されるので、カードをタッチ・端末に挿入するなどお客様の希望する方法で決済します。
ただし、キャッシュレス決済だからといってクレジットカードなのに電子マネーと間違えて登録してしまうと、集計時の金額にズレが発生してしまうので注意してください。

 

返品や数の訂正をしたいです

お客様からの返品希望や、誤って商品の数を多く読み取ってしまうケースが出てくるかもしれません。その場合は取り消ししたい商品の数量を-1で登録することで、訂正ができます。返品の場合は交換したい商品があった場合、その商品を登録すれば差額分を計算することが可能です。
会計途中なら登録した分を削除すれば元に戻ります。

 

まとめ

POSレジは顧客管理や売上分析、商品管理などに役立ちます。業務の効率化や作業効果を図るために導入を検討してみてはいかがでしょうか。

近畿システムサービスでは酒販店やアパレル、物販店などに向けた管理システムをご提供しています。POSレジが置けないような移動店舗でもレシートの発行ができるようにハンディ管理システムなどがあり、お客様の幅広い悩みやニーズに対応しています。
また、スムーズに営業ができるように、POSレジの設置から初期設定までサポートしているのでご安心ください。
業務をスムーズにしたいと考えている方は、ぜひお問い合わせフォームより、お気軽にご連絡ください。

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