2024.03.28
顧客管理システム

飲食店によるAI活用事例|業界の人手不足の解消・在庫管理を実現

飲食業界は今もなおスタッフの人手不足が続いており、現在働いているスタッフの負担が増加し続けています。そんな中、飲食店でAIを導入したビジネスが推奨されており、飲食業界で徐々に普及し始めました。

AIの導入は「人手不足を解消したい」「在庫管理に時間がかかる」などの悩みを抱えている経営者にとって、救世主となり得るでしょう。

そこで本記事では、これからAIを導入しようと考えている事業者の方に向け、AIを導入することのメリットやデメリットを解説します。また、実際にあったAIの導入事例も紹介しているので参考にしてください。

近畿システムサービス管理部

近畿システムサービスは、店舗のトータルな提案を行うシステム開発会社です。免税システム、RFIDソリューション、電子署名等、多くの業種システムの開発実績がありますが、特に流通関連のシステムでは多数の実績とノウハウがあります。


 

飲食店でAIが導入されるようになった背景

飲食店で人工知能(AI)ロボットが配膳として導入されたニュースは、比較的記憶に新しい

です。

もちろんこれまでにも動物やヒト型AIロボットは登場していましたが、ペットを購入できない方や来店したお客様を案内する対策として企業に向けた商品が多く、飲食業界に向けたAI商品はそれほど多くありませんでした。

ではなぜここにきて飲食店でAIを導入するようになったのでしょうか。飲食業界でAIを導入した背景を見ていきましょう。

 

インバウンド規制緩和による深刻な人手不足

第一にコロナ明けのインバウンド規制緩和により、外国人観光客の急激な増加により、飲食業界で深刻な人手不足が挙げられます。

以前、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により営業することが難しくなったことから、人件費の削減のために従業員に辞めてもらったという飲食店も多いでしょう。

アフターコロナではこれまで以上にお店が多忙になったケースもあるかもしれません。しかし、一度流出してしまった人材は戻らない傾向にあるため、慌ててスタッフを募集しても人材の確保ができない飲食店も多く見受けられました。

そこで飲食業界に登場したのが人工知能(AI)です。AIの形として配膳ロボットやPOSレジなどが挙げられます。

 

コロナ禍での非接触型の推奨

コロナ禍で推奨されていたのが「非接触」です。特に飲食店の場合は人と接触することが多いため、不特定多数の出入りが多い飲食店では時間短縮が求められていました。

スタッフとお客様ができるだけ接触しないように、非接触型オペレーションシステムを導入する飲食店が増えたのです。

 

人為的ミスによる食品ロス

スタッフがお客様の注文を間違えて食材を無駄にしてしまうこともあります。さらに来客を予測できず、仕込みをしすぎて廃棄する羽目になったこともあるでしょう。

経営においても仕入れに費用がかかっているため、食材の廃棄は売上が立たなくなってしまいます。

飲食業界における廃棄ロスの問題は深刻ですが、AIの活用がその解決に役立つと期待されています。

また、AIに関して詳しく知りたい方は下記をご覧ください。

 

>>最近よく聞くAI(人工知能)とは?仕組みや最新技術を分かりやすく解説

 

飲食店のAI導入で得られる7つの効果

飲食店にAIを導入した場合、どのようなメリットがあるのかをご紹介します。

 

①食品ロスの解消

お客様の来店予測が可能なAI在庫管理の活用は、食品ロス削減に効果的です。主な食品ロスの原因は、「仕込みのしすぎ」「消費期限切れ」「食べ残し」など挙げられますが、AIの導入によりこれらの問題を解決することが可能です。

AIは過去のデータや顧客の来店傾向を分析することで繁忙期や閑散期を予測し、適切な在庫量を管理できます。これにより、必要以上に多くの食材を仕入れてしまうリスクを軽減し、消費期限が近づいても売れ残ることなく在庫を管理できるため、食材を無駄にすることは少なくなるでしょう。

 

②在庫管理ができ発注が楽になる

AIを活用した在庫管理システムでは、仕入れた材料の情報を入力し、定められた締日単位で集計を行えます。これにより、支払一覧表や支払明細書などの帳票を自動的に生成することが可能です。

さらにAIは在庫の状況や仕入れた材料の情報をリアルタイムで把握できるため、毎回在庫を一つずつチェックしながら発注する負担が軽減できます。

材料の仕入情報の入力ができるPOSと連動したシステムなら、近畿システムサービスがおすすめです。飲食店管理の効率化を目指します。

 

③非接触サービスが可能

コロナ禍でセルフオーダーシステムの導入を行った飲食店はかなり増えました。セルフオーダーシステムとは、お客様自身がメニューを選択できる方法です。

セルフオーダーシステムには、注文専用のタブレットを各テーブルに配置する方法と、店舗が用意したQRコードをお客様のスマートフォンで読み込んで注文する方法があります。

専用タブレットを設置する場合、店舗の規模によっては数十万円のコストがかかるかもしれません。コストを抑えてセルフオーダーシステムを導入したい場合は、QRコードを使ったシステムがおすすめです。

ただし、利用するお客様がスマートフォンを持っていることが前提となりますので、ターゲット層を考慮した上で導入を検討しましょう。

POSシステムの機能やメリットを知りたい方は下記を参考にしてください。

 

>>POSシステムの導入事例とは?機能やメリットを最大限に活かすコツを解説

 

働き方改革を実現できる

厚生労働省より2019年4月1日に施行された「働き方改革」が進む中で、従業員の業務負担が増えている現状があります。

働き方改革の主な内容は、従業員の業務時間の短縮を目指すことですが、飲食店側は簡単にスタッフの総数を増やせず、追加人員を戦力にするまでには時間がかかるという問題がありました。

このような状況下で、AIの導入は有効な手段です。AIを導入することで、従業員に負担の大きい雑務などを自動化し、限られた人員を休ませたり、より重要な業務に集中させたりすることが可能です。例えば、電話の予約受付やマニュアルの共有などの簡単な作業をAIに任せることで、従業員の業務負担を減らし、休暇も取りやすくすることができます。

従業員はAIが行えない業務や、人間の判断や対応が必要な業務に集中できるようになるでしょう。そのため、経営する上で生産性や業務効率の向上が期待できます。

 

⑤均一なサービスが可能

アルバイトスタッフの多い飲食店や混み合う時間帯では、店員のスキルや経験によってサービスの質が偏ってしまいます。

特に人手が足りない中での接客はイライラしたり精神的に疲れたりとマイナス面が目立つようになります。配膳型のAIロボットを活用すれば、少ない人員でもお店を回転させられるでしょう。

また、AIロボットは精神面で左右されることがないため、均一なサービスを提供できます。その他にも、AIロボットは接客対応・多言語対応ができるだけではなく、学習機能によってスタッフの教育も可能です。

 

⑥効率的なマーケティングができる

顧客分析やマーケティングにAIを活用することで、以下のようなメリットが得られます。

  • AIは顧客の行動パターンや購買履歴から、特定のターゲット層を識別できるため、イベントやメニューを考えやすい
  • AIは顧客の嗜好や興味を分析し、パーソナライズされたマーケティングコンテンツを提供できる
  • 将来の購買行動やニーズを予測できるため、需要予測や在庫管理の最適化が実現
  • 顧客満足度を高め、ロイヤルティを向上させられる

 

AIを活用することで、顧客分析やマーケティングの効率性が向上し、飲食業界での競争力強化につながります。

 

飲食店がAIを活用する際の3つの注意点

AIを導入するにあたって、デメリットも知っておきましょう。

①初期費用がかかる

AIを導入するには、初期費用と運用費用がかかります。初期費用は主にAIシステムや機器の購入費用、導入に伴う設置費用、カスタマイズや開発費用などです。

これに加えて、運用費用にはAIのメンテナンスやアップデート、トレーニングコスト、専門スタッフの給与などが含まれます。

また、クラウドベースのAIサービスを利用する場合は、サブスクリプション料金や利用量に応じた料金が発生することも考慮しなくてはなりません。

AIの導入にあたっては、これらの初期費用と運用費用を事前に計算し、予算内での実施を検討しましょう。

POSレジの導入をお考えの方は、補助金や助成金を活用するのも手です。下記を参考にしてみてください。

 

>>【2023年度最新版】POSレジ導入に活用できる補助金・助成金まとめ

 

②イレギュラー対応ができない

AIロボットの限界の一つは、イレギュラーな状況に対応する能力の制約です。AIはある程度の予測可能なパターンやルールに基づいて作動しますが、予期せぬ状況や複雑な問題に対しては対応できません。

AIは人間のように柔軟な判断や創造性を持っていないため、複雑な問題に対しては十分な解決策を提供できないことがあるでしょう。

 

③ホスピタリティが低下する可能性がある

AIロボットは、人間のような温かみや共感力を持たないため、お客様とのコミュニケーションにおいては限界があります。

お客様は飲食店でのサービスを通じて、人間同士のやり取りや心地よい雰囲気を求める場合があります。AIロボットだけでは、そのような方の期待やニーズに十分に応えることができないかもしれません。

そのため、AIロボットを導入する際には、スタッフとのバランスを考慮し、人間のホスピタリティやサービス提供の重要性を失わないようにする必要があります。AIを活用しつつも、人間の手によるサービスやコミュニケーションを重視することで、顧客満足度を維持し、ホスピタリティの低下を防止できるでしょう。

 

飲食店のAI導入事例を紹介

 

近年、AI技術の開発が著しく顕著になり、実際に飲食店でAIを導入している店舗が増加しました。ここではAIの導入事例の一部をご紹介します。

 

無人ドライブスルー

大手ハンバーガーチェーンのマクドナルドは、2022年にイリノイ州シカゴ市内の10店舗で、音声認識AIを利用した無人ドライブスルーの実証実験を開始しました。

このシステムでは、ドライブスルー窓口に音声認識AIを搭載し、お客様が注文を声で伝えると、AIがその内容を正確に認識して注文を受け付けて商品を提供します。

これにより、従来の人間による業務を効率化し、オーダーエラーや待ち時間の削減を実現することが期待されています。

このように、マクドナルドの実証実験を通じて、将来的に音声認識AIを活用した無人ドライブスルーが日本にも普及する可能性が高いでしょう。

AIロボットによる調理

AIを搭載した調理ロボットは、プログラムされたレシピや指示に基づいて食材を処理し、調理を行えることで注目されています。味の一貫性や品質を確保しつつ、人間の手に比べてより迅速かつ効率的な調理が可能です。

しかし、現在の技術水準では、すべての料理や調理プロセスをAIロボットが完全に代替することは難しいでしょう。

複雑な調理技術や感覚的な判断を行うには、まだ人間の手が必要とされる場面があるからです。そのため、AIロボットによる調理が普及するには、さらなる技術の進化や安全性・衛生面の確保、コスト面の改善などの大きな課題が残されています。

 

大手チェーンの顧客情報の管理

大手チェーンでは、すでに顧客情報の管理にAIを活用しています。AIは大量のデータを処理し、顧客の嗜好や購買履歴などから傾向を分析。これにより、顧客に合ったマーケティング施策やサービス提供が可能となります。

顧客の嗜好や好みを理解することで、顧客に合わせた広告やキャンペーンを展開できます。さらにAIを活用すれば、顧客の声やフィードバックをリアルタイムで把握し、サービスの改善や問題解決に役立つでしょう。

 

AIの導入で飲食業界は今後どう変わる?

画像引用:総務省|IoT・AIの導入状況と今後の意向

 

ボストンコンサルティンググループが2018年に調査した結果、日本のAI導入率は7か国中7位と、中国・米国・欧州主要国を下回っていたことがわかりました。

とはいえ、日本の飲食業界においてAIの導入は急速に進展しており、様々な変革が期待されます。AIによる自動化技術は労働力不足の問題を解決し、人手不足による業務のストレスやミスを軽減。また、AIを活用したセルフオーダーシステムや自動調理ロボットなどが導入されることで、注文から調理までのスピードが向上し、顧客の待ち時間が短縮されるでしょう。

さらにAIを用いた顧客分析や在庫管理システムによって経営効率の向上が期待されます。

AIの導入により、日本の飲食業界はより効率的で質の高いサービス提供が可能となり、競争力の強化や業界全体の発展につながるでしょう。

 

まとめ

今やAIとビジネスは切っても切れない関係となりました。AIの導入は集客や在庫管理、人手不足を解消してくれます。また、POSレジの導入によって顧客の情報収集やレジ締めが簡単にできるようになり、従業員をサポートしてくれます。

 

近畿システムサービスでは、売上・顧客・売掛をパソコン1台で総合的に管理できるシステムをご提供しています。目に見に見えにくい情報も簡単に可視化できるのが特徴です。

 

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