訪日外国人観光客の増加により、免税販売を導入する店舗が急増しています。こうした環境において、免税処理をスムーズに行うために欠かせないのが「パスポートリーダー」です。
この記事では、免税システムにおけるパスポートリーダーの重要性や求められる機能、導入するメリット、そして市場の動向について詳しく解説していきます。
近畿システムサービスは、店舗のトータルな提案を行うシステム開発会社です。免税システム、RFIDソリューション、電子署名等、多くの業種システムの開発実績がありますが、特に流通関連のシステムでは多数の実績とノウハウがあります。
目次
免税対応POSレジにはパスポートリーダーが必須
訪日外国人旅行者の増加に伴い、免税販売に対応したシステムの導入が進んでいます。
免税販売を行う店舗においては、購入者が外国人旅行者であることを確認し、その情報を正確に記録・送信する必要があります。ここで重要な役割を果たすのが「パスポートリーダー」です。
パスポートリーダーは、パスポートのMRZ（Machine Readable Zone：機械読み取り可能領域）を自動で読み取り、氏名や国籍、旅券番号などの情報を正確に抽出します。これにより、手入力によるミスを防ぎ、処理時間の短縮と業務効率の向上が可能になります。
特に免税販売では、購入者のパスポート情報を正確かつ迅速に読み取り、POSレジや免税システムと連携させることが求められます。そのため、パスポートリーダーは免税システムにとって、なくてはならない機器となっています。
パスポートリーダーに求められる機能
パスポートリーダーに求められる重要な機能について解説します。
精度の高さ
パスポートリーダーにおいて最も重要な機能が読み取り精度です。パスポートの種類や状態に関わらず、安定して高精度にデータを読み取れることが求められます。読み取り精度が低いと、誤情報の登録や手入力の手間が発生し、免税処理の遅延やミスに繋がります。
実際に、高精度モデルでは非常に高い読み取り成功率を誇っており、短時間でスムーズな処理が可能となっています。特に空港や百貨店のように、訪日客が集中する場所ではこの精度の高さが大きなアドバンテージとなります。
省スペース
近年の店舗運営では、限られたカウンターやレジスペースの中で効率的な機器設置が求められています。従来型の大型パスポートリーダーではスペースを取りすぎてしまい、導入が難しいケースもありました。
近年は省スペース型のスキャナーが登場しており、店舗設計やレジ周辺のレイアウトを崩すことなく設置できます。
POSデータとの連携
パスポート情報は、免税処理においてPOSシステムと連携させる必要があります。
連携の方法は様々ありますが、パスポート情報や販売データはそれぞれAPI連携により即時送信ができ、オペレーターの作業負担を大幅に軽減できます。
パスポートリーダーとの連携によるスピーディーな処理が可能な「TaxtiS」
株式会社近畿システムサービスでは、免税販売に必要な業務を支援するソリューションとして免税システム「TaxtiS」をご提供しております。
「TaxtiS」では、高性能パスポートリーダーや免税対応POSレジとの連携が可能です。さらに、API連携にて販売情報とパスポート情報を合わせた免税データをリアルタイムで国税庁へ送信することができ、免税販売管理を一括で行えるワンストップソリューションとして、多くの現場で活用されています。
導入時には、現地での設置支援やスタッフへの操作研修を行い、導入後の運用サポート体制も整っています。すでに家電量販店、ドラッグストア、百貨店など幅広い業態でご導入いただき、業務効率化と顧客満足度の向上に貢献しています。
免税システムの仕組みをおさらい
免税制度とは、外国人旅行者等の非居住者が一定の条件を満たした場合に、日本国内での消費税を免除する制度です。具体的には、購入金額が5,000円以上（消耗品と非消耗品でそれぞれ条件あり）であること、上陸許可年月日から6か月未満であることなどが条件になります。
免税販売のプロセスは以下のような流れで進みます。
- パスポート確認と読み取り：購入者のパスポートをパスポートリーダーでスキャンし、氏名・国籍・旅券番号などの情報を取得
- POSでの販売登録：免税対象商品とその金額をPOSレジで登録
- 免税情報の電子送信：取得したパスポート情報と販売情報を一括でクラウドシステムに連携し、国税庁に準拠した形式で電子データを作成
- 商品受け渡し：商品を免税価格で販売
- データ送信と保管：販売完了後、国税庁へ免税販売データの送信を行い、指定された形式で一定期間記録・保管を行う
免税販売を行うには、パスポート情報の確認と記録が義務付けられており、国税庁が指定する書式で電子的にデータを保存・送信する必要があります。このため、パスポートリーダーとPOSシステムの連携は、免税処理の必須条件といえます。
データの正確性を担保し、国税庁への対応もスムーズに行える体制が求められています。
免税対応POSレジの需要が高まっている背景
免税対応POSレジのニーズが高まっている背景には、インバウンド需要の回復と観光業界の再活性化があります。日本政府観光局（JNTO）のデータによると、2024年の訪日外国人旅行者数は3,600万人を突破しました。
さらに官公庁の「訪日外国人旅行者数・出国日本人数」によると、百貨店やドラッグストア、家電量販店などでは、外国人向けの免税販売が大きな売上比率を占めており、訪日客1人あたりの平均免税購入額は約60,000円とも言われています。
このような中で、免税処理の効率化は各店舗にとって早急に取り組むべき重要なテーマとなっており、パスポートリーダーを組み込んだ免税システムの導入は不可欠となっています。
まとめ
パスポートリーダーは、免税システムの中核を担う重要なデバイスです。精度の高い読み取り、省スペース設計、POSとのスムーズな連携など、多くの機能が求められています。
近畿システムサービスの免税システムは、こうしたパスポートリーダーとの連携が可能な優れた選択肢であり、導入することで免税業務の効率化・正確化が実現できます。
インバウンド需要が再び拡大する中で、今後ますます多くの店舗がパスポートリーダー搭載の免税システムやPOSレジを導入し、訪日外国人へのサービス向上を図ることが期待されます。
