2026.02.27
店舗管理システム

在庫管理を効率化するABC分析とは?分類方法や活用ポイント・注意点をわかりやすく解説

在庫管理を効率化するABC分析とは?分類方法や活用ポイント・注意点をわかりやすく解説

在庫管理では、必要な商品を適切なタイミングで確保することが重要です。

しかし、商品によって売り上げや金額は異なるため、すべての在庫を同じ基準で管理するのは効率的とはいえません。

 

そこで役に立つのが、在庫管理の手法の一つであるABC分析です。重要度に応じて商品の管理レベルを分けることで、在庫管理にかかる時間や手間を効率化できます。

 

この記事では、在庫管理にABC分析を導入するメリットや分類方法・手順を解説します。記事後半では、在庫管理を最適化するためのポイントや注意点、他の分析手法との違いや組み合わせなども紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

 

近畿システムサービス管理部

近畿システムサービスは、店舗のトータルな提案を行うシステム開発会社です。免税システム、RFIDソリューション、電子署名等、多くの業種システムの開発実績がありますが、特に流通関連のシステムでは多数の実績とノウハウがあります。

在庫管理を効率化するABC分析とは

ABC分析とは、自社の製品やサービス、顧客を一定の評価基準でA・B・Cの3グループに分類し、管理や対応の優先順位を決める手法です。マーケティングや売上分析、営業戦略、顧客情報管理など幅広い分野で活用されています。

 

在庫管理では主に物流・小売業界で多くの企業が取り入れており、売り上げへの影響が大きい商品を重点的に管理することで、在庫管理の最適化や売り上げ・利益の向上に役立てられています。

 

評価基準の選び方

在庫管理におけるABC分析では、企業の収益に直結する「売上高」を評価基準に、商品をグループ分けするのが一般的です。

 

しかし、管理や分析の目的によっては、販売数量や利益額、在庫金額など異なる指標が適切な場合もあります。

 

例えば、ピッキング作業の効率を高めたい場合は、出庫数量・出庫頻度などを評価軸とし、重要度の高いAグループの商品は通路側に保管するなど、倉庫のレイアウトを工夫することで在庫管理を効率化できます。

 

グループの意味・位置付け

在庫管理におけるABC分析では、重要度に応じて商品を優先度が高い順にA・B・Cの3つのグループに分類します。

 

例えば、売上高を評価軸とする場合、それぞれの主な位置付けは以下のとおりです。

 

分類 重要度 累積構成比 在庫管理の優先度
A 70%まで 最優先。欠品がないよう意識して発注
B 70〜90% 通常管理。一定の頻度で発注
C 90〜100% 簡素管理。在庫が切れてから発注

 

累積構成比とは、全体に占める割合(構成比)を上位から順に足した合計値のことです。

売上高を評価軸とする場合、売上構成比の高い順に商品ごとの売上高を足していき、その累計値を全体の売上高で割ることで算出できます。

 

累積構成比は、以下のように売り上げへの影響度が低いほど数値が高くなるのが特徴です。

 

商品 売上構成比 累積構成比
A 70% 70%
B 20% 90%
C 10% 100%

 

A・B・Cの分類結果は、商品を構成比の高い順に並べた棒グラフと、累積構成比を示す折れ線グラフで構成されたパレート図によって可視化できます。

グループの意味・位置付け

 

>>在庫管理の見える化とは?見える化するメリットと具体的な方法を解説

 

 

ABC分析はパレートの法則をベースとしている

ABC分析は、19世紀にイタリアの経済学者ヴィルフレド・パレートが提唱したパレートの法則(80対20の法則)をベースとしています。

 

彼は、「イタリアの土地は全人口の約2割である富裕層によって所有されている」「自身の庭の収穫の8割は2割の植物によって生み出されている」などの事実から、「全体の成果の大部分は、上位2割によって構成されている」という傾向を示しました。

 

在庫管理におけるABC分析は、このパレートの法則をビジネスの分野で応用した手法です。限られた経営リソース(人手・時間・手間)を、売り上げの約8割を占める主要商品に集中させることで、在庫管理の最適化を図ります。

 

在庫管理にABC分析を導入するメリット

人手や時間などの限られた経営リソースを最適化できるのが、在庫管理にABC分析を用いるメリットです。重要度に応じて優先度や管理方法を変えることで、在庫管理にかかる工数やコストの削減、業務の効率化が図れます。

 

また、優先順位が明確化することは、過剰在庫・欠品などのリスク低減や現場の負担軽減にもつながります。

 

ABC分析の方法・手順

ABC分析の方法・手順
ABC分析は、売上高や販売数量などの評価軸に沿って、商品をA・B・Cの3つのグループに分類していきます。

 

具体的な手順は以下のとおりです。

  1. 分析に必要なデータを収集する
  2. 商品ごとの売上構成比を計算する
  3. 累積構成比で商品をA・B・Cに分類する

1.分析に必要なデータを収集する

まずは、管理や分析の目的に合わせて、必要なデータ(売上高や販売数量、在庫金額など)を集め、整理しましょう。例えば、売上高を評価軸とする場合は、商品名と売上高をリストアップする必要があります。

 

ABC分析に必要な情報を効率的に取り出すには、店舗管理システムや在庫管理システムなどのデータ抽出機能が便利です。

 

2.商品ごとの売上構成比を計算する

必要なデータが揃ったら、各商品の構成比を計算しましょう。

 

例えば、売上高を評価軸とする場合は、各商品の売上高が全体のうちどのくらいの割合を占めているか、以下の式で算出します。

 

売上構成比 =商品ごとの売上高 ÷全体の売上高

 

3.累積構成比で商品をA・B・Cに分類する

商品を構成比の大きい順に並べ替え、累積構成比を算出します。

 

累積構成比とは、「グループの意味・位置付け」で説明したとおり、上位の商品が全体売上にどれだけ寄与しているかを示す数値です。例えば、売上高を評価軸とする場合、売上構成比の高い順に商品ごとの売上高を足していき、その累計値を全体の売上高で割ることで算出できます。

 

累積構成比=売上高の累計÷全体の売上高

 

ABC分析では、この累積構成比をもとに、商品をA・B・Cの3グループに分類するのが特徴です。

 

一般的な目安としては、累積構成比が約70%までをAグループ、70〜90%をBグループ、90〜100%をCグループに分類します。

 

ABC分析は店舗管理システムの活用がおすすめ

ABC分析をおこなうには、店舗管理システムの活用が便利です。店舗管理システムとは、売り上げや在庫など店舗のデータを一元管理できるシステムのことです。

 

ABC分析自体はExcelでも可能ですが、商品が多かったり、見直しの頻度が高かったりすると、集計・計算に手間や時間がかかるだけでなく、人的ミスのリスクも高まります。

 

その点、店舗管理システムなら、販売実績や在庫データを自動で集計・整理する機能が備わっているため、売上構成比や累積構成比の計算、グループの分類までスムーズにおこなうことが可能です。

 

近畿システムサービスでは、物販店・量販店様向けに店舗管理システムを提供しております。パソコンとインターネット環境があればいつでも・どこでも売り上げや在庫の確認が可能。店全体の売り上げや部門単位だけでなく、単品別のABC分析など細かい売上分析も可能ですので、興味がある方はぜひお気軽にお問い合わせください。

 

無料お問い合わせはこちら

 

在庫管理におけるABC分析の活用事例

在庫管理にABC分析を活用することは、ビジネス上の課題解決や業務改善に役立ちます。

 

例えば、スタッフが限られている小規模店舗では、売れ筋商品(Aランク)の管理に重点を置くことで、売上機会の損失を防ぎつつ、現場の負担を軽減できます。

 

また、多店舗展開の場合は、店舗別にABC分析をおこなうことで、各店舗に最適な在庫管理や発注計画が可能となります。

 

以下の記事で、店舗規模や業態ごとのABC分析の活用事例を詳しくご紹介していますので、併せて参考にしてください。

 

>>ABC分析とは?在庫管理・売上管理での使い方と手順方法をわかりやすく解説

 

ABC分析で在庫管理を最適化するポイント・注意点

ABC分析で在庫管理を最適化するポイント・注意点
在庫管理におけるABC分析は、分析条件の設定や運用方法によって成果が大きく左右されます。

 

ABC分析で在庫管理を最適化するために意識したいポイント・注意点は、主に以下のとおりです。

 

適切な分析期間を設定する

ABC分析は、管理や分析の目的に合わせて適切な期間を設定することが重要です。

 

対象期間が短すぎると偶発的な売り上げに左右されやすく、反対に長すぎると現在の課題や動向が見えにくくなります。そのため、トレンドを把握したい場合は直近数ヵ月、安定して売れている定番商品を特定したい場合は半年〜1年など、目的に応じた分析期間を設定するのが効果的です。

 

さらに、短期的な動きと中長期的な動き、両方のデータを把握することは、より精度の高い判断につながります。

 

季節商品やトレンド品の扱いに注意する

季節商品やキャンペーン商品、流行の商品などは、年間で見るとCランクでも、特定期間ではAランクに分類される場合があります。

 

このように一過性の商品を正しく見極めないと、余剰在庫や欠品につながる恐れがあるため注意が必要です。

 

ABC分析で適切な分類をおこなうには、期間を分けた分析や複数期間で比較し、需要に応じた発注・在庫確保を計画することが重要です。

 

商品や店舗の特徴を考慮する

ABC分析で在庫管理を最適化するには、商品や店舗の特徴を考慮することも重要です。

 

例えば、トレンドを重視するEC店舗の場合は、今売れている商品(Aランク)だけでなく、「今後売りたい商品」「伸ばしたい商品」を加味して運用する必要があります。

 

また、面積が小さい店舗やかさばる商品を取り扱う場合は、売上高だけでなく、利益率や保管スペースも考慮が必要です。

 

このように在庫管理を最適化するには、売上高だけでなく、店舗や取扱商品の特徴を考慮して運用することが重要となります。

 

定期的に見直す

ABC分析は一度実施して終わりではなく、定期的な見直しが欠かせません。経済情勢や顧客のニーズは常に変化しているためです。

 

例えば、新型コロナウイルスの流行期は、従来Cランクに分類されていた医療機器や衛生用品が、短期間でAランクへと変化するケースが多く見られました。このように急激な需要変動を見逃さないためには、定期的に分析結果を更新することが重要です。

 

自動発注している場合は、設定が現状に合っているか確認し、必要に応じて調整するなど、定期的に管理方針を見直しましょう。

 

ロングテール理論を考慮する

ABC分析では、売上構成比の低いCランクの商品は優先度が低いと判断されます。しかし、Cランクの商品にあえて注力し、ニッチな需要に応えることで利益を上げるのも一つの手段です。

 

このように、少数の売れ筋商品の売上合計よりも、それ以外の多数の商品の売上合計のほうが大きくなり得るという考え方をロングテール理論といいます。

 

特に、実店舗に比べてスペースの制約が少なく、在庫管理コストが抑えやすいECショップでは、このロングテール理論が有効です。店頭に並ぶ機会の少ない商品を幅広く取り扱い、多様なニーズに応えることで、販売機会の拡大や競合との差別化につながる可能性があります。

 

ABC分析と他の在庫管理手法の違い・組み合わせ

ABC分析と他の在庫管理手法の違い・組み合わせ
ABC分析は、商品の優先度を把握するのに有効な手法ですが、他の分析手法と組み合わせることでより精度の高い在庫管理が可能になります。

 

ここでは、その他の代表的な在庫管理の手法との違いや組み合わせのポイントを解説します。

 

XYZ分析

XYZ分析とは、需要の変動予測に基づいて、商品をX・Y・Zの3グループに分類する手法です。Xは需要が安定している商品、Yはやや変動がある商品、Zは需要変動が大きい商品を指します。

 

需要の安定性を評価するXYZ分析は、商品の重要度を評価するABC分析と組み合わせることで、欠品を防ぐために最低限確保しておくべき安全在庫の設計や、発注計画の精度を高められます。

 

例えば、Aランクかつ需要変動が激しいZ群の商品は、発注頻度の見直しや在庫調整をこまめにおこなうことで、過剰・欠品リスクをより適切に管理できるようになります。

 

FSN分析

FSN分析とは、出庫頻度に基づいて、商品をF・S・Nの3グループに分類する手法です。F(Fast)はよく動きがある商品、S(Slow)はやや動きがある商品、N(Non-moving)は動きがない商品を指します。

 

在庫の回転性を評価するFSN分析は、商品の重要度を評価するABC分析と組み合わせることで、発注計画の最適化に役立ちます。

 

例えば、BランクでもFに分類される商品は、発注頻度を高める、在庫を多めに確保するなど、欠品防止を意識することが重要です。

 

在庫回転率分析・在庫回転期間分析

在庫回転率は一定期間に在庫が何回入れ替わったか、在庫回転期間は、在庫がどれくらいの期間で売れるかを表す指標です。

 

FSN分析と同様、在庫の回転性を評価する分析手法のため、ABC分析と組み合わせることで、発注計画の最適化や過剰在庫・欠品リスクの低減に役立ちます。

 

交差比率分析

交差比率分析とは、在庫の投資効率を測るための手法です。在庫回転率に粗利益率を掛け合わせることで、在庫がどれほど効率的に利益を生み出しているかを数値化します。

 

交差比率分析はABC分析と組み合わせることで、過剰在庫や欠品のリスクを抑え、適正な在庫バランスを保つことが可能となります。

 

例えば、Aランクなのに交差比率が低い(=売上効率が悪い)場合は、過剰在庫の可能性が高いため、発注頻度や安全在庫の見直しを検討する必要があります。

 

死蔵在庫・緩動在庫分析

死蔵在庫・緩動在庫分析とは、在庫に動きがない、または遅い商品を特定する手法です。死蔵在庫は型落ちなどを理由に今後売れる見込みがない商品を、緩動在庫は極めて出庫頻度が低い商品を指します。

 

ABC分析でCランクに分類される商品は、死蔵在庫・緩動在庫となりやすい傾向があります。そのため、ABC分析と死蔵在庫・緩動在庫分析を組み合わせることで、値引きや廃棄処分を検討すべき商品を効率的に特定できます。

 

まとめ

ABC分析とは、自社の商品やサービス、顧客を一定の評価基準でA・B・Cの3グループに分類し、管理・対応の優先順位を決める手法です。

 

在庫管理では、売上高などを指標に、商品を重要度順に分類・管理することで、業務効率化やコスト削減、欠品・過剰在庫のリスク低減が可能となります。

 

ABC分析はExcelでも可能ですが、集計・計算にかかる手間や時間を考えると、店舗管理システムの導入がおすすめです。販売実績や在庫データを自動で集計・整理する機能が備わっているため、売上構成比や累積構成比の計算、グループの分類までスムーズにおこなえます。

 

近畿システムサービスでは、物販店・量販店様向けに店舗管理システムを提供しております。

 

新型の店舗管理システム「おみせねっと」は、パソコンとインターネット環境があればいつでも・どこでも売り上げや在庫の確認が可能。お客様の環境やご要望に応じて、社外からは閲覧できないオンプレ運用もお選びいただけます。

 

小規模店舗から複数店舗管理まで対応しているほか、お客様の環境に合わせたカスタマイズも可能ですので、興味がある方はぜひお気軽にお問い合わせください。

 

無料お問い合わせはこちら

 

おすすめの関連記事