2024.01.29
免税システム

免税対象者とは?免税制度や企業が得られるメリットについて

免税 対象者 アイキャッチ

免税制度とは、外国人旅行客による日本国内での旅行消費を促進することが主な目的です。令和5年(2023年)4月1日に消費税免税制度が改正され若干の変更がありました。

そのため、免税店業者は免税対象者を正確に判別し、免税手続きを適切に行う必要があります。

そこで本記事では、免税制度についての再確認や免税対象者の範囲をご紹介します。また、免税店事業者が得られるメリットや注意するべきポイントも解説しているので、ぜひ参考にしてください。

近畿システムサービス管理部

近畿システムサービスは、店舗のトータルな提案を行うシステム開発会社です。免税システム、RFIDソリューション、電子署名等、多くの業種システムの開発実績がありますが、特に流通関連のシステムでは多数の実績とノウハウがあります。

 

免税制度とは

タックスフリー

免税制度についてすでにご周知の方は多いかと思いますが、今一度どのような制度なのかを確認しておきましょう。

ここでは免税になる対象商品も詳しく解説しているので、ぜひ最後までご覧ください。

 

免税とは

免税とは外国人旅行者等の非居住者が帰国時に国外に持ち出すための品物が対象となり、これらの商品に対して免税販売が行われる制度です。

消費税は日本国内で消費する物品を対象とする課税なので、国外で消費する物品は対象にはなりません。

また、免税販売を行うには、免税店事業者が納税地を所轄する税務署に対して申請が必要です。税務署長の許可を得ることで、免税販売が可能となります。

免税制度は時折改正が行われ、制度や手続きが変更されることがあります。そのため、関係者はこれらの変更に素早く対応し、最新情報を把握することが大切です。ちなみに今回の改正は7回目です。

 

免税対象商品

通常の生活で使用される物品が対象です。主に使い捨てなどの「消耗品」やカバンや民芸品などの「一般物品」が挙げられます。

ただし、物品に焦点を当てているため飲食、宿泊、サービス料などの無形のものは免税の対象外です。

なお、事業用・販売用の物品も免税対象外となります。

また、免税制度は、商品が日本国外に持ち出されることを前提としているため、国内での使用が主体の場合や輸出禁止の物品は対象外です。

 

免税対象商品
消耗品 一般物品
食品・酒・飲料・医薬品・化粧品など 洋服・鞄・靴・家電製品・宝飾品・雑貨

食器・民芸品など

・同じ店舗での1日の購入合計額が税抜で5,000円以上50万円以下の要件あり

・国内で消費されないよう包装された状態であること

同じ店舗での1日の購入合計額が税抜で5,000円以上の要件あり

参照:観光庁|令和4年度税制改正に関する説明会

 

百貨店やショッピングモールでは「免税手続き一括カウンター」を設置しているところがあります。この場合は、複数店舗で購入しても税抜で5,000円以上になれば免税の対象となります。

 

免税対象者とは誰を指す?

免税対象者とは誰を指す

免税販売は、基本的に外国人旅行者や一時的な滞在者が対象となります。これらの訪日外国人が、日本で商品を購入し、それを日本国外に持ち出す際に消費税が免除される仕組みです。

ここでは外国人が免税できる条件と日本人が免税できる条件をそれぞれ解説します。

 

免税対象者の条件|外国人

外国籍を有する非居住者」の場合は、以下の条件を満たす必要があります。

 

  • 外国政府又は国際機関の公務を帯びる者
  • 「短期滞在」「外交」「公用」の在留資格を有する者
  • 出入国管理及び難民認定法第十四条から第十八条までに規定する上陸の許可を受けて在留する者(引き続き対象)

 

また、外国人でも免税対象者とならない場合があります。

 

  • 日本国内にある事務所に勤務する者
  • 日本に入国後6か月以上経過するに至った者
  • 在留資格が「留学」「家族滞在」「特定活動」「研修」「技術・人文知識・国際業務」「報道」「永住者」「技能実習」等の者

 

免税対象者の条件|日本人

日本国籍の方でも以下のケースは免税の対象となります。

 

  • 日本国内以外の地域に引き続き2年以上住所又は居所を有することを「在留証明」または「戸籍の附票の写し」により確認がされた者

 

日本に住民登録のない方で、一時的に帰国する「在留証明」または本籍を確認できる「戸籍の附票の写し」は、免税購入対象者が最後に入国した日から起算して6ヶ月前の日以後に作成されているのが条件です。

 

参照:国土交通省 観光庁|消費税免税制度改正のお知らせ(令和5年4月1日施行)

 

免税制度改正後で企業が得られるメリット・注意点

免税制度改正 メリット

免税制度改正後は良くも悪くも影響を与えています。ここではメリットや注意点をご紹介します。

 

転売目的を阻止できる

以前は、転売目的のブローカーが留学生を利用して大量の商品を購入する事例が見受けられました。そのため、商品が転売市場に供給され、本来の制度趣旨と異なる利用が行われ大きな問題となっていました。

そこで留学生や技能実習生を免税対象から除外することで不正転売が抑止され、制度の透明性と公正性の向上につながったのです。

 

制度の対象者を短期滞在や外交、公用の在留資格者に限定することで、本来の目的に即した正当な利用が可能になりました。

外国人旅行者が日本での観光やショッピングを目的とした場合に、免税のメリットが発揮され、地元経済への貢献が期待できます。

 

免税店事業者にとっては、これらのメリットが不正行為や転売からくる懸念を軽減し、制度をより健全に運用できる状況を生み出せるでしょう。

 

Visit Japan Webを活用した本人情報の確認で簡単に把握できる

Visit Japan Web

画像引用:観光庁

 

「Visit Japan Webサービス」を活用することで、外国人旅行者は観光地や商品に関する情報を簡単に確認できます。これにより、観光先での滞在をより効果的に計画でき、満足度が向上することが可能になりました。

 

新型コロナウィルスの流行が落ち着きインバウンド需要の回復が見込まれる中、サービスの活用は外国人旅行者との円滑なコミュニケーションや商取引を促進する助けとなります。

 

免税店における現状の手続きは以下の通りです。

 

  1. 旅行者から旅券の提示を受ける
  2. パスポート内の情報(在留資格等)を確認
  3. 購入記録情報等を端末に入力

 

次に、Visit Japan Webを導入後の免税店における手続きです。

 

  1. 「Visit Japan Web」の情報(免税用2次元コード)を免税店が読み取り
  2. 免税対象者(外国籍)のみ免税販売手続人員が手入力しなくてもデータが反映される

 

本人確認は二次元コードとともに、顔写真等で行います。なお、免税店事業者がサービスを利用するためには二次元コードを読み取る端末の導入が必要です。導入費用がかかる可能性があるため、事業者はこれらのコストを検討し、サービスの利点とコストをバランスよく評価する必要があるでしょう。

このサービスを導入する際は、承認送信事業者へ問い合わせすることになります。

近畿システムサービスでは承認送信事業者として、貴社の免税対応を運用・サポートしています。

 

>>近畿システムサービスの免税電子化システムについて

 

免税制度改正後に注意すべきポイント

免税制度の改正に伴い、留学生などが免税対象者から除外されることに対し、お客様の理解を得なくてはなりません。

 

例えば、観光庁のウェブサイトに免税制度改正に関する情報が掲載されているか確認し、必要に応じてリンクを店内に掲示したり、観光庁が提供する制度改正ポスターを店内に貼り、顧客に対して変更点を分かりやすく伝えたりして案内します。

 

また、免税店側も要件を満たさない取引を行うと罰則が課せられるため、業務に携わるスタッフにも免税の理解や手続き方法を教育することが大切です。

 

まとめ

免税対象者 まとめ

免税対象者は海外から日本に旅行しに来日した非居住者や、海外に拠点を置き一時的に日本に帰国している日本人などが挙げられます。

 

いずれ海外に戻ることを前提としているので、購入した免税対象品を日本国内で使用することはできません。

 

また、免税制度を上手に利用することで、購入者・免税店と双方にメリットが得られます。改定後に設けられた「Visit Japan Webサービス」は、簡単に免税対象者が把握できるので、対象者以外に商品を販売しなくても済みます。

 

これから免税店を始めようとする方や、スムーズな免税制度対策を行いたい方も、ぜひ一度当社のお問い合わせフォームより、お気軽にご連絡ください。

 

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