2021.03.03
POS

商品券の会計処理について解説

商品券

商品券の会計処理で悩んだことはありませんか?商品券の扱いはさまざまなケースで異なっており、複雑で分かりにくいもの。この記事では、長年経理を担当している人でも悩ましい、商品券の会計処理について解説していきます。商品券の処理についてまとめたので、今後の経理業務の参考にしてください。

近畿システムサービス管理部

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発券時の処理

商品券を発券した段階では、負債として処理します。なぜなら、発券時点では商品等が引き渡されていないため。前受金や預り金と同じように考え、同様の処理を行います。

商品引き換え時の処理

商品券を商品と引き換える段階で、売り上げとして計上します。自社で発券した商品券の場合は、商品引き換え時に負債として処理していた商品券勘定を取り崩します。

発券から一定期間経過した場合の処理

発券から一定期間経過した未使用の商品券は、商品券勘定を取り崩し、雑収入として処理し直すことがあります。
ただし、債務が持続すると考える使用期限のない商品券においては、一旦雑収入として処理すると会計上負債が計上されていないことになります。そこで、商品と引き換えた際に、売り上げと共に雑損失を計上しなければなりません。

商品券回収損失引当金

発券から一定期間を経過した商品券を雑収入として処理した後で商品券が使用されると、売り上げと同時に損失が発生します。このように、将来発生するであろう損失金額を前もって見積もり、商品券回収損失引当金として計上できます。金額の算出は、過去の発券履歴や使用実績などから行うのが一般的です。

商品券は処理上「債務」として扱う

商品券を販売したとき、店側はお金を受け取ります。しかしこのとき、店の商品を引き渡してはいません。つまり、店が商品を引き渡す前にお金だけ受け取ったということになります。このとき店側には、今後商品券を使ったお客様に対して、商品を引き渡さなければならないという義務が生じます。この義務のことを会計上の「債務」と呼びます。

さきほど「商品券を発券した段階では、負債として処理します」とご紹介しました。負債と債務、言葉が違うけれどどういうこと?と疑問に思われた方もいるかもしれませんね。そこで

    • 負債は、経済的な負担
    • 債務は、相手に何らかの行動をしなければならない義務

と考えると分かりやすいでしょう。

その他の商品券処理

その他の商品券処理

お客様が他店商品券を使用した場合や、従業員に商品券を支給した場合についても見ていきましょう。

他店商品券の処理

商品券には自社が発行したもののほかに、他店が発行するものがあります。百貨店などが発行している共通商品券を思い浮かべると分かりやすいかもしれません。
お客様がこのような他店商品券で支払いをした場合も、商品と引き換えることができますよね。ではこの場合の処理はどうすればよいのでしょうか?

他店商品券を受け取った段階で、他店商品券をお金に変える権利が生じ、資産が増加すると考えます。その後、他店商品券を発行店舗で換金するのですが、そうなると他店商品券をお金に変える権利がなくなり、現金が入ってきたと仕訳をします。
ちなみに、他店商品券の換金は交換会という場でまとめて行われることになっており、個別には応じてもらえないので気をつけましょう。

従業員に支給した際の処理

従業員に商品券を支給するケースはさまざまなパターンがあり、間違えやすいのでしっかりと知っておく必要があります。
従業員に支給するときには、給与として計上すべきか、福利厚生費として計上できるのかがポイントです。このふたつは課税対象かどうかに違いがあります。給与に値する場合は、源泉徴収が必要となるので、適切に処理しなければなりません。

福利厚生費として認められるのは、結婚や出産などのお祝いとして商品券を支給する場合です。社会通念上、福利厚生にあたると認められた場合に限り、福利厚生費として計上できます。具体的にどのような場合かというと、以下の3つの条件を満たすケースです。

  1. 就業規則などで対象とする慶弔金に関する規定を設けていること
  2. 不当に高額なものでないこと
  3. 対象となるすべての従業員に支給すること

過去の例では、誕生日のお祝い目的での商品券支給が、福利厚生費として認められませんでした。判断基準が難しいところですが、社会的な慣習として広く行われる事柄かどうかが判断のポイントとなっているようです。

また、会社の創業記念や永年勤続表彰の副賞として、商品券を支給する場合は給与として扱われます。

商品券の勘定科目

商品券の勘定科目

商品券の勘定科目は、購入か使用か、誰に何の目的で贈答したのかなどによって異なるため、非常に複雑です。
しかし、実は絶対的な決まりはないため、分かりやすい科目でかまいません。流動資産に計上していれば、科目にそれほどこだわらなくてもよいということです。

以下に一般的な勘定科目を紹介します。

  • 自社で発券した商品券をお客様が使用した場合:商品券
  • 他社で発券した商品券をお客様が使用した場合:他店商品券
  • 商品券を贈答目的で購入した場合:接待交際費
  • 商品券を従業員に支給した場合で、課税対象となるケース:給与
  • 商品券を従業員に支給した場合で、非課税となるケース:福利厚生費
  • 未使用の商品券を在庫として計上する場合:貯蔵品

まとめ

商品券は会計処理上、不正に利用されることもあるため、厳しくチェックされるポイントです。商品券の経理処理は複雑で分かりにくい部分が多いので、しっかりと勉強しておくことが必要不可欠です。税務署から疑わしいと指摘されることがないよう、適切な処理を行いましょう。