2021.05.31
店舗管理システム

インボイス制度とは?個人事業主が考えるべきこと

インボイス制度、別名「適格請求書等保存方式」は2023年(令和5年)10月1日から導入予定の消費税の仕入税額控除のための方式で、消費税納税の透明性が高くなるというメリットがあります。

この制度の背景にあるのは、2019年の増税時から導入されている軽減税率です。

インボイス制度がどのようなものなのか詳しく紹介していきましょう。

近畿システムサービス管理部

近畿システムサービスは、店舗のトータルな提案を行うシステム開発会社です。免税システム、RFIDソリューション、電子署名等、多くの業種システムの開発実績がありますが、特に流通関連のシステムでは多数の実績とノウハウがあります。

インボイス制度の内容

帳簿

インボイス制度は、売り手が買い手から求められた際にインボイス(別名:適格請求書)を交付し、買い手はそのインボイスを保存することで仕入税額控除を受けられる仕組みのことです。

インボイス制度の導入理由や、現行の請求書等方式との違いを確認していきましょう。

インボイス制度導入の理由

インボイス制度が導入されることになった背景には、2019年の消費税の増税があります。

それまで日本の消費税率は一律でしたが、2019年の消費税の増税時に軽減税率というものができ、10%と8%の税率が混在することとなりました。

インボイス制度の導入で、どの商品の税率がいくらなのかを明確にし、スムーズな経費処理ができるようになると見込まれます。

請求書等方式との違い

2019年に複数税率が導入され、現行はインボイス制度開始までの期間で「区分記載請求書等保存方式」が適応されています。

請求書は、発行者の氏名又は名称、取引年月日、取引の内容、取引の金額、交付を受ける側の氏名又は名称を記載した書類です。

区分記載請求書等保存方式では、請求書記載事項に「軽減税率対象品目である旨」を記載し、「税率ごとの合計額」もあわせて表記することがマストです。

インボイス制度では正確な適用税率や消費税額等を把握できるよう、上記にプラスして「適格請求書発行事業者の氏名または名称及び登録番号」の記載と、「税率ごとの消費税額と適用税率」の記載が必要となります。

インボイス(適格請求書)の交付は、きちんと登録をした適格請求書発行事業者のみにしかできません。

インボイス制度によって何が変わるのか

インボイス制度の導入で、事業主がすべきことにどのような変化があるのでしょうか。

仕入税額控除

買い手側の注意点として、インボイス制度導入後は一定の記載事項を満たした帳簿とインボイス等請求書の保存が仕入税額控除を受ける際に必須となります。

インボイス制度導入後は、適格請求書発行事業者ではない事業者からの仕入れに関して原則仕入税額控除を行うことができないので、注意が必要です。

適格請求書事業者の義務が免除される場合もある

売り手側はインボイス制度の導入にともない適格請求書事業者登録が求められるようになり、適格請求書事業者は買い手側から依頼された際のインボイスの交付写しを保存することが義務となります。

この義務については、インボイス交付が困難と判断される場合は免除されるケースもあり、たとえば3万円未満の公共交通機関での旅客の運送や、卸売市場で出荷者が行う生鮮食料品等の譲渡などが挙げられます。

インボイス制度は免税事業者にも影響がある

文房具
次に、消費税の納税義務がない免税事業者に対するインボイス制度の影響を考えていきます。

消費税をのぞいた売上高が1,000万円以下となる事業者は「免税事業者」として消費税の納税義務が免除となりますが、この免税事業者はインボイスの発行ができません

そのため、インボイス制度が始まると、課税事業者の取引先から避けられてしまう可能性があると考えられます。

フリーランスや個人事業主の中には免税事業者も多くいることでしょう。

免税事業者でも、「消費税課税事業者選択届出書」を記入して届け出ることで課税事業者となり、登録申請書を提出すれば、適格請求書発行事業者の登録ができるので、インボイス制度導入にともない検討が必要となることが予想されます。

インボイス制度が実施されるタイミング

カレンダー

インボイス制度が導入されるのは2023年(令和5年)10月1日からです。

2019年(令和元年)10月1日から2023年(令和5年)9月30日までは、仕入税額控除に区分記載請求書等保存方式が適応されており、いわば移行期間といえるでしょう。

インボイス制度導入で実際に事業者が考えるべきこと

前項までの事柄をふまえ、インボイス制度に備えて実際に事業者が考えていくべきことをまとめました。

適格請求書の準備

適格請求書発行事業者となりインボイス制度に対応するには、必要事項を全て記載したインボイスを交付できるよう経理システムの整備が必須となります。

  • ① 適格請求書発行事業者の氏名又は名称及び登録番号
  • ② 取引年月日
  • ③ 取引内容(軽減税率の対象品目である旨)
  • ④ 税率ごとに区分して合計した対価の額(税抜き又は税込み)及び適用税率
  • ⑤ 消費税額等(端数処理は一請求書当たり、税率ごとに1回ずつ)
  • ⑥ 書類の交付を受ける事業者の氏名又は名称

これらを満たすインボイスを交付できるよう準備しましょう。

課税事業者になるかどうか検討

前述しましたが、消費税をのぞく売上高1,000万円以下の免税事業者は、インボイスの交付ができません。

インボイス制度のために課税事業者となり、適格請求書発行事業者として登録するかどうかを事前に検討しましょう。

2023年(令和5年)10月1日より適格請求書発行事業者となる場合、登録申請書の提出は、2021年(令和3年)10月1日から2023年(令和5年)3月31日となっています。

登録を検討している事業者は忘れずに届け出を提出しましょう。

インボイス制度によって手間が増える

インボイス制度のような新しい制度の導入には、これまでの経理システムに手を加えたり、社内で周知させたり、ワークフローを策定したりと一定の手間がかかります。

適格請求書発行事業者は早めに準備にとりかかることがおすすめです。

まとめ

インボイス制度は消費税に軽減税率が導入されている現在において、経費処理の透明性を高め、スムーズにするためにプラスとなる制度です。インボイス制度にともなう変化や注意点について十分理解し、新制度に難なく移行できるよう準備を進めていきましょう。

 

近畿システムサービスでも、インボイス制度に対応した管理システムを取り扱っております。是非、導入を検討してみてはいかがでしょうか。