2026.04.30
POS

軽減税率対応POSレジの導入ガイド。選び方や使える補助金は?

消費税の軽減税率導入やインボイス制度の開始により、店舗運営における税率管理や書類発行の負担は増大しています。「複雑な税率計算でミスが起きないか」「今のレジでインボイス対応は十分か」と不安を感じている経営者の方も多いのではないでしょうか。

 

この記事では、軽減税率対応POSレジを導入するメリットや注意点、選び方のポイント、補助金制度や導入手順を解説します。「POSレジの導入を考えているものの、疑問点が多くなかなか実行に移せない」という方は、必見です。

 

近畿システムサービス管理部

近畿システムサービスは、店舗のトータルな提案を行うシステム開発会社です。免税システム、RFIDソリューション、電子署名等、多くの業種システムの開発実績がありますが、特に流通関連のシステムでは多数の実績とノウハウがあります。

軽減税率とは?POSレジが必要な理由

軽減税率とは、標準税率(10%)より低く設定された税率のことです。

2019年10月の消費税引き上げと同時に導入されました。

 

2026年4月現在、以下の商品・サービスが軽減税率(8%)の対象です。

 

  • 食料品(酒類・外食を除く)
  • 週2回以上発行の定期購読新聞

 

食料品では、同じ商品でも提供方法によって税率が変わります。

持ち帰り(テイクアウト)の場合、軽減税率が適用されるのに対し、店内飲食(イートイン)では標準税率となるため、注意が必要です。

 

提供方法 税率
店内飲食(イートイン) 10%(標準税率)
持ち帰り(テイクアウト) 8%(軽減税率)

 

参考:よくわかる消費税軽減税率制度|国税庁

 

この複数税率を正確に管理するために、軽減税率対応のPOSレジが必要になります。

 

インボイス制度とPOSレジの関係

軽減税率の導入にともない、2023年10月1日からインボイス制度が始まりました。

 

インボイス制度(適格請求書等保存方式)とは、売手が買手に対して正確な適用税率・消費税額を記載した請求書を発行・保存する制度です。

 

小売店・飲食店など、不特定多数と取引する事業者は、以下の要件を満たしたレシートを「適格簡易請求書(簡易インボイス)」として発行できます。

 

適格簡易請求書(簡易インボイス)に必要な記載事項
記載事項 詳細
①発行者の登録番号 T+13桁の適格請求書発行事業者番号
②取引年月日 レシート発行日
③軽減税率対象品目の明記 対象商品である旨(「※」マークなど)
④税額の明記 税率ごとの消費税額
⑤税率の明記 8%・10%それぞれの区分

 
適格簡易請求書の記載例
(引用:適格簡易請求書の記載事項|国税庁

 

 

買手はインボイスがないと、仕入税額控除が受けられません。軽減税率およびインボイス非対応のPOSレジを使い続けると、取引先が仕入税額控除を受けられなくなるリスクがあります。

そのため、軽減税率やインボイスに対応したPOSレジの導入が早急に必要です。

 

参考:インボイス制度について|国税庁

 

>>インボイス制度とは?個人事業主が考えるべきこと

 

軽減税率対応POSレジを導入するメリット

軽減税率対応POSレジを導入するメリット
「軽減税率に対応するPOSレジって?」「導入する意味はあるの?」という疑問を持たれる方も多いかと思います。

 

軽減税率により、店舗経営では主に「商品管理」と「申告・納税」に関する業務が複雑化しました。こうした課題を中心に解決し、さまざまなメリットをもたらすのが、軽減税率対応POSレジの導入です。

 

税率計算の自動化でミスを削減

軽減税率対応POSレジでは、8%と10%の税率を商品ごとに自動で振り分けます。これにより、手作業による計算ミスやレジ打ち間違いを防げます。

 

特に商品数が多い物販店・量販店では、業務精度の向上が期待できるでしょう。

 

インボイス対応の書類を自動発行

インボイス制度に対応した、請求書・レシート・領収書を自動で発行できます。

前述のとおりインボイス対応の請求書には、8%・10%それぞれの税率区分や、軽減税率対象品目などの明記が必要です。

POSレジの導入により、手書き発行の手間と、記載ミスのリスクを同時に軽減できます。

 

税率別の売上データを自動集計

軽減税率POSレジでは、標準税率(10%)と軽減税率(8%)の売り上げを自動で分けて記録します。

レジ打ち業務での手間やミスを削減するほか、消費税の申告・計算にかかる時間の短縮にもつながります。

 

従業員への教育コストを削減

税率の区分をシステムが管理するため、スタッフへの個別指導が最小限で済みます。

レジ操作もシンプルで、教育コストの削減につながります。

 

売上分析・在庫管理との連携が可能

POSレジで蓄積された売上データを活用することで、「いつ・何が・何個・いくらで」売れたかをリアルタイムで把握できます。

在庫管理や発注業務との連携により、店舗全体の業務効率が向上するでしょう。

 

軽減税率対応POSレジのデメリット・注意点

軽減税率対応POSレジにはメリットが多い一方で、導入前に把握しておくべきデメリットもあります。

 

コストがかかる

POSレジは、導入時にかかる初期費用のほか、月額のランニングコストも発生するため予算計画が重要です。

 

なお、後述する「デジタル化・AI導入補助金」を活用することで、導入コストを抑えられる場合があります。

 

商品マスタの初期設定に手間がかかる

POSレジの導入時には、各商品のJANコードや型番、税率、仕入価格などさまざまな情報を登録し、商品マスタを設定する必要があります。

 

手間はかかりますが、正確に商品マスタ登録をおこなうと、のちのデータ分析や店舗業務の効率化で大きな成果を得られるでしょう。

 

スタッフへの操作研修が必要

新しいシステムを導入する際は、スタッフへの研修が必要です。

基本的なシステムの使い方や、軽減税率のルールを理解したうえでの運用が求められます。

 

軽減税率対応POSレジを選ぶ3つのポイント

軽減税率対応POSレジを選ぶ3つのポイント
さまざまな軽減税率対応POSレジがあるなかで、導入を成功させるには3つのポイントが重要です。

 

法令の改正に対応できるか

軽減税率やインボイス制度などの税制改正で、多くの事業者が対応に迫られました。

今後も、大きな税制改正が起こる可能性は十分にあり、そのたびにPOSレジを買い換えるという方法は現実的ではありません。

 

そこで、法令の改正に柔軟に対応できるPOSレジを選ぶことが大切です。

特に、クラウド型のPOSレジであれば、法令改正があってもシステムアップデートにより柔軟に対応できます。

 

自社に必要な機能が搭載されているか

POSレジは、サービスによって搭載されている機能が異なります。

売上データの蓄積だけでなく、買掛管理や在庫管理などにも対応したPOSレジもあり、より多角的な店舗管理の効率化が可能になります。

 

ただし、機能が多ければよいというわけではありません。

POS導入の目的を洗い出し、過不足なく機能がそろっているPOSレジを選ぶことが大切です。

 

サポート体制が充実しているか

POSは店舗業務の基幹システムであり、トラブルが起こると業務全体に支障が出ます。

万が一のトラブルに備え、サポート体制が充実しているPOSレジを選びましょう。

 

具体的には、次のことが挙げられます。

 

  • 年中無休のサポート対応
  • システム導入時の相談
  • 通信回線によるオンラインサポート

 

POSレジ導入に使える「デジタル化・AI導入補助金」

デジタル化・AI導入補助金は、中小企業・小規模事業者が、業務効率化や生産性向上のためITツールを導入する際に活用できる補助金です。

 

なかでも、POSレジの導入時に活用されるのが「インボイス枠(インボイス対応類型)」です。インボイス制度に対応した、会計・受発注・決済に関するソフトウェアおよびハードウェアの導入時に利用できます。

 

インボイス枠の補助率と上限額
対象経費 補助率 補助上限額
ソフトウェア(POSレジアプリなど) 中小企業:3/4、小規模事業者:4/5 350万円
ハードウェア(POSレジ本体・タブレットなど) 1/2 20万円(レジ・券売機)

 

申請のポイントは、以下のとおりです。

 

  • ハードウェア単体の申請はできません。
  • 購入済みのPOSは対象外で、必ず購入前に交付決定を受ける必要があります。
  • 申請には「IT導入支援事業者」を通じた手続きが必須です。

 

申請時には、必ず中小企業デジタル化・AI導入支援事業費補助金のホームページにて、最新情報を確認しましょう。

 

参考:デジタル化・AI導入補助金

 

なお、軽減税率対策補助金は2019年に終了しています。

 

軽減税率対応POSレジの導入方法

軽減税率対応POSレジの導入は、次の4ステップでおこないましょう。

 

1.導入するPOSレジを選定する

最初に、POSレジ導入の目的を明確にします。

軽減税率やインボイスへの対応というメインの目的のほか、「リアルタイムの在庫管理をおこないたい」「発注業務も効率化したい」などのニーズも洗い出し、必要な機能が搭載されたPOSレジを選びましょう。

 

2.デジタル化・AI導入補助金の申請を検討する

POSシステムのベンダーに相談し、補助金申請の要件を確認します。

申請に必要な「GビズIDプライム」の取得を、先行して進めておきましょう。取得には2週間程度かかります。

 

その後、ベンダーと共同で交付申請の事業計画を作成します。

交付決定が下りるまで、POSレジの購入はしないよう注意してください。

 

3.インボイス対応の登録・設定をする

インボイス制度に対応するため、税務署に「適格請求書発行事業者」の登録申請をします。e-Taxまたは郵送での申請が可能です。登録通知までに1ヵ月〜1.5ヵ月程度かかるため、注意しましょう。

 

登録後に交付される登録番号を、POSレジに設定します。

 

4.商品マスタの税率設定と従業員研修をおこなう

全商品の税率(8%・10%)をマスタに登録します。イートイン・テイクアウトの切り替え方法など、運用ルールをスタッフに周知して導入完了です。

 

導入後の運用と売上管理方法

導入後の運用と売上管理方法
POSレジは導入したら終わりではなく、導入後の活用方法が重要です。

具体的な導入後の運用方法として、次の3つが挙げられます。

 

売上データの確認と活用

日次・月次の売上データを確認します。売れ筋商品や死に筋商品、ピークタイムなどを確認し、販売戦略を立てましょう。

POSを導入したばかりの段階では、税率別の売上データを見るなどして、マスタが正しく設定されているかを確認すると安心です。

 

複数店舗の管理

クラウド式のPOSレジなら、各店舗データの一元管理が可能です。

各店舗のデータをリアルタイムで確認し、在庫移動や人員配置などをおこなうことで、効率的な複数店舗管理が実現します。

 

また、一度マスタを登録すれば全店舗で利用できるため、マスタ登録の手間が軽減されます。

 

店舗業務をトータルで効率化

POSレジの機能によっては、買掛管理や在庫管理、発注管理などさまざまな店舗業務を効率化できます。

 

例えば、仕入入力や支払入力をすると、買掛元帳・支払明細書などの各種書類を自動で作成できる機能により、買掛管理の効率化が可能です。

他にも、在庫管理機能があるPOSレジでは、売上データと連動し、最新の在庫数をリアルタイムで把握できます。

 

まとめ

軽減税率対応POSレジの導入は、税率計算の自動化やインボイス対応書類の自動発行など、店舗業務の効率化に大きく貢献します。

導入時は、デジタル化・AI導入補助金の活用も検討しましょう。

導入後も売上データの分析や在庫管理との連携を活用し、店舗経営の改善につなげることが重要です。

 

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