2021.08.31
顧客管理システム

退勤システムの種類と失敗しない選び方について

従業員の出退勤時間や就業日数を把握し管理できる退勤システム。

導入することで従業員の残業時間や休暇取得日数などの勤務状況をリアルタイムで把握でき、勤務時間集計などの工程を減らせるなど多くの利点があります。

ここでは、そんな退勤システムの種類選び方、気になる費用などを紹介します。

退勤システムの導入を考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

近畿システムサービス管理部

近畿システムサービスは、店舗のトータルな提案を行うシステム開発会社です。免税システム、RFIDソリューション、電子署名等、多くの業種システムの開発実績がありますが、特に流通関連のシステムでは多数の実績とノウハウがあります。

退勤システムとは

退勤システムとは、従業員の出社・退社時間や欠勤、休暇取得日数などの労働状況をリアルタイムで確認することができるツールです。

これまで広く利用されてきたタイムカードは、従業員が出退勤の時刻を打刻するためだけのツールであり、月末にカードを回収して集計作業を行なう必要がありました。

それに対し、退勤システムは出退勤を打刻することで、自動的に労働時間の集計が行われます。

企業は従業員の労働状況をリアルタイムに把握することで、労働環境の問題点を見つけ改善へ向けて動くことができます。

企業の目的に合った退勤システムを選び、労働環境の改善に努めましょう。

退勤システムの選び方

退勤システムには様々な性能・価格の製品があります。

企業の規模や業種、使用する目的を明確にすることによって、自社にフィットしたものを選ぶことが可能です。

退勤システムは大きく分けると「クラウド型」と「パッケージ型」という2つの種類があります。

クラウド型は退勤システム利用時にインターネットを利用します。

そのため、社外にいてもスマホやタブレットなどを使って勤怠情報を入力することが可能です。

在宅ワークをしている人や営業職で外に出ていることが多い人も、打刻のために出社する必要がありません。

また自社でサーバーを利用する必要がないためコスト面でも優れています。

多様な働き方に対応できるため、今の時代に合った退勤システムといえるでしょう。

パッケージ型は、自社開発型ともいわれ、システムを動かすためのサーバーを自社で用意し、管理するタイプの退勤システムです。

導入にあたりソフトウェアを購入し、インストールする必要があります。

インターネットを介さず利用でき、自由にカスタマイズできますが、初期費用が比較的高額になるという特徴も。

従業員の多い大企業や、高いセキュリティ対策が必要な企業に向いています。

その他にも、機能や種類別に選ぶポイントがあるのでチェックしてみましょう。

打刻方法

退勤システムの選び方として、出退勤の打刻方法で選ぶ方法があります。

会社のセキュリティーカードや、ICカードでの打刻、スマホやタブレット端末に入れたアプリを利用した打刻、指紋・静脈を読み込む生体認証を利用した打刻、パソコンでパスワードを入力するWebブラウザでの打刻などです。

様々な種類があるので、自社との相性を考えて選ぶのが良いでしょう。

申請機能

退勤システムには、シフト希望有給休暇代休振休残業申請など様々な申請機能を備えたものがあります。

各種申請に対して誰を承認者にするか設定できたり、申請した人が誰の承認待ちかを確認できたりするものもあります。

手軽に申請・承認ができる機能がついているかで選ぶのもポイントです。

アラート機能

長時間残業をしてしまう原因として、業務量過多などのほかに「集中してつい残業時間が長くなってしまった」というケースがあります。

アラート機能がある退勤システムを利用すると、一定の残業量を超えた従業員にその旨を直接アラートで知らせることができ、退社時間についてセルフマネジメントしてもらうことが可能です。

シフト管理機能

退勤システムでは、シフト管理機能を備えたものが多くあります。

シフトの管理・調整ができるのはもちろんのこと、給与ソフトとの連携ができるものや、従業員全員でシフトを共有できるものもあるので、人員調整が必要な企業や、様々な雇用形態の従業員がいる企業はそういった製品を検討してみましょう。

費用

退勤システムを導入するにあたり、企業の予算に合った製品を選ぶことも大切です。

初期費用として、システム導入費・管理用のパソコンと打刻機器の購入費がかかります。

運用費としては、システム運用の月額料・インターネット通信費が必要です。

システム導入費については、前述した「パッケージ型」の場合、高額の費用がかかることがあるため、導入前にしっかり見積もりをとり、自社にとってコストパフォーマンスの良い製品を選びましょう。

使いやすさ

正確な勤怠管理をするため、従業員にとって使い心地の良い製品を選ぶことも重要です。

無料体験が利用できる場合や、デモ機を試せる場合もあるので導入前に利用して選びましょう。

退勤システム導入のメリット

退勤システムの導入により、労働時間の管理ができることはもちろん、管理者・従業員にとっても多くの利点があります。

退勤システム導入後に得られるメリットについて見ていきましょう。

管理が簡単になる

労働時間や休暇取得の日数が自動集計されるため、これまでタイムカードを集めた後にエクセルに入力などといった手作業の集計作業が不要になります。

それにより管理にかかる時間を減らすことができ、ミスを防ぐことも可能です。

月末ごとに各部署からタイムカードを集めたり、漏れがないかチェックし修正したり…といった時間と手間を省くことで、業務の効率化を目指せます。

労働環境の可視化・改善

タイムカードでの勤怠管理は、カードを集計するまで、従業員の残業時間や勤務日数を管理者が把握しづらい状況にありました。

退勤システムを導入すると、現在どの従業員の残業量が多いかなどの労働状況を管理者がリアルタイムで把握することが可能です。

また、不正打刻を防止できることから申告せずにサービス残業や休日出勤を行う従業員を把握することも可能になります。

それにより、勤務時間の長い従業員の仕事量を他の従業員に割り振るなどの対策を行うことができ、従業員の負担を軽減することができるでしょう。

「月末のタイムカード集計後に、特定の従業員が長時間労働をしていることが分かった」などという状況をなくし、現在起きている問題を可視化して労働環境の改善を図ることができます。

法改正に対応

長時間労働やサービス残業が社会問題となり、働き方改革関連法案によって2019 年から改正労働基準法が施行されています。

それによって企業の責務とされていた従業員の労働時間の適正把握義務化されました。

厚生労働省による「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」の主なポイントには、「使用者は労働者の労働日ごとの始業・終業時刻を確認し、適正に記録すること」、「タイムカード・ICカード・パソコンの使用時間の記録などの客観的な記録を基礎として確認し、適正に記録すること 」という記述があります。

適正かつリアルタイムに労働時間の管理をすることができ、法改正にも対応することが可能な退勤システム。

上記の点について対応できていない企業は、退勤システムの導入を前向きに検討しましょう。

まとめ

退勤システムの種類失敗しない選び方についてお伝えしました。

手作業で行っていた就業時間の集計作業を省くことができ、業務の効率化を図れる退勤システム。

労働環境の実態を把握し、長時間労働などの問題を対策し改善することで、賃金の割り増しを防ぐだけでなく、従業員が働きやすい環境を整えることが可能です。

それにより、従業員の健康面を守ることができ離職を防ぐことにもつながります。

様々な種類の製品の中から、企業の規模などによって適切な退勤システムを選び、従業員の勤怠管理に取り組みましょう。

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